標高データとは

https://y-dssc.com/w2/results/開発計画地の仮測量/
標高データとは、土地の高さ(標高)を数値化したデータの総称です。測量した特定地点の標高が分かるため、土地の利用や都市のモデリング、災害調査・シミュレーションなど、様々な分野で活用されています。
なお、標高データはDEMとDSMに大別可能です。それぞれ標高を表している点は同じですが、含有するデータの内容が少々異なっています。
DEM
DEM(数値標高モデル)は、地面の高さを示した標高データのことです。シンプルに地表面の標高を現しており、地面から立つ建物や樹木などの障害物は取り除かれています。特にポピュラーな標高データで、幅広く活用されているのが特徴。国土交通省・国土地理院が提供する基盤地図情報でもDEMが使われています。
DSM
DSM(数値表層モデル)は、住宅やビルなどの建物や樹木、障害物などの高さも含んだ標高データのことです。建物を含んだ標高を把握したり、DSMのみでは分からない障害物の高さを確認したりすることができます。
DSMを利用した場合、建物や橋などのインフラを含んだ3Dモデルを作成することが可能。反対に建物などの情報を取り除けば、地表面のみの標高を示すDEMデータへと変換できます。
取得・作成する方法
DEMとDSMは一見すると似ていますが、取得・作成方法が少し異なります。
DEM
DEMは、ドローンなどの測量によって作成できるほか、DSMから障害物の情報を取り除くことで標高データを作成可能です。特にDSMから変換する手法はシンプルで、元データとなるDSMと比較すれば、障害物の高さを把握できます。
DSM
一方のDSMは、主に空からの写真測量やレーザー測量によって取得した標高データを下に作成されます。上空からの測量には、従来航空機が使用されていましたが、近年はドローンによる測量が広まりつつあります。
DSMは特に高精度なデータが求められるため、レーザー測量を行うのが一般的です。レーザー測量は光の反射時間をもとに高さを割り出す測量方法で、高精度なデータを取得できるのが特徴。測量時にはレーザースキャナーや、GNSS受信機など専用の機材が用いられています。
データの用途・活用方法
標高を表す方法が異なっているDEMとDSM。それぞれの用途や活用方法をご紹介します。
DEM
DEMの主な活用方法は次のとおりです。
- 土地の標高調査・確認
- 災害発生地点の確認
- 水流の調査・シミュレーション
- 惑星の地表調査
土地の標高を調査・確認する時や、災害発生地点の情報を確認する際などにDEMが用いられています。また、水流の調査やシミュレーションもDEMのポピュラーな活用方法です。少し変わったところでは、惑星の地表調査にもDEMが活用されています。
DSM
DSMの主な用途・活用方法は以下のとおりです。
- 都市の景観・構造解析
- 地形の調査・確認
- 水流の調査・シミュレーション
- 圃場・農地の調査
DSMを利用すれば、都市の構造を解析したり地形を調査したりできます。水流の調査やシミュレーションにも活用できますが、DEMとは違って障害物の影響も考慮したシミュレートが可能です。このほか、圃場や農地の状態を確認するためにDSMが用いられることもあります。
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