ドローン測量を知る

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そもそもドローン測量とは

ドローン測量は、ドローンを利用して上空から行う測量方法です。短時間で広範囲を測量できるのが特徴で、さらに精度の高いデータを得られるメリットがあります。一方で天候に左右されやすく、高度な知識・技術が必要になるなどのデメリットも。自前でのドローン測量はハードルが高いため、専門のドローン測量会社へ依頼するのが一般的です。

ドローン測量のメリット

測量時間とコストを大きく削減できる

ドローン測量を行う場合、人の手で行う測量と比較すると、測量にかかる時間・コストを大幅に削減できます。特に、高低差がある地形の測量や広い土地など、測量を行うことが難しい場合、従来と同様の方法で測量を行おうとするとそれなりの時間とコストが必要となります。しかし、このような環境でもドローンを使用することにより効率的に測量を行うことが可能です。

さらに、複数台のドローンを同時飛行させたり、大型のドローンを使用することで、1日あたりの測量面積を従来の3倍以上に引き上げる事例もあります。これにより、現場作業日数を半分以下に抑えられ、プロジェクト全体のスケジュール短縮にも貢献します。

広い範囲の撮影に適しており、短時間に多く測量できる

測量を行う現場は非常に広い土地の場合があります。ドローンを活用することにより、このような広い範囲の測量を行う場合も、短時間での作業が可能となります。このように、ドローンは広い範囲の測量が可能である点も特徴のひとつといえます。 また、現場によっては工事車両が行き交うところもありますが、ドローンを使用することによって車両の往来を止めずに測量を行うことも可能。工期の短縮や安全の確保が期待できます。これまでと同じ方法では時間を要する広い範囲の測量を行う場合も、ドローンであればスピーディーに移動することができるため、効率的に測量ができます。

加えて、予め設定した飛行ルートで自動飛行を行う「自動航行プラン」を活用すれば、一度のフライトで数ヘクタールを網羅的に撮影できるほか、複数機の同時運用でさらに面積を拡大できます。撮影データはリアルタイムに地上のオペレーションセンターへ転送可能なため、その場で進捗を確認し、追加撮影や再飛行の判断を即時に行える点も現場効率化に大きく寄与します。

詳細な測定が可能

高度な位置情報を取得できるドローンを使用することにより、詳細に地形情報を収集できます。さらに、ドローンはGPSやセンサー技術を搭載していることから、高度情報や地点の座標を高精度で測定が可能となっていることから、信頼性が高い結果を得ることができます。 また、ドローンは高精度なカメラを搭載していることもあり、詳細な地形データの撮影ができ、細かい地形の特徴・構造を捉えられます。

さらに、地上に配置した標定点(GCP)と組み合わせることで、測量誤差を数センチメートル以内に抑えることが可能です。取得した点群データやオルソ画像はそのままCADやGISにインポートできるため、土量計算や3Dモデル作成など、設計フェーズへのデータ連携もスムーズに行えます。

ドローン測量のデメリット

天候状況に影響される

雨や風などの天候状況によって測量作業が影響を受けることがあります。悪天候となってしまった場合は、正確性の観点だけではなく、安全性の面からも測量は行えません。

特に風速5m/s以上や降雨時には機体安定性が損なわれ、機材へのダメージリスクやデータ欠損リスクが高まります。そのため、予備日を含めたスケジュール設計や、天候モニタリング体制の整備が必須です。

高度に伴い精度低下の可能性がある

高度を上げることによって、ドローンは広い範囲の撮影を行えます。しかし写真測量の場合は地上解像度が粗くなり、レーザー 測量の場合も照射されるレーザーが粗くなります。

撮影高度は現場条件に応じて設定されるべきで、高度100m前後が一般的ですが、それ以上上げると解像度が低下し、点群の密度不足から詳細地形の把握精度が落ちる可能性があります。現場ごとに試行飛行を行い、適したバランスを探る必要があります。

専門知識を持つ人材の確保が不可欠

測量を行う際、ドローンに関する高い知識・技術が必要となります。また、法律や規制なども知っておくことが求められるため、専門的な知識を持った人材が必要です。

具体的には、無人航空機運用管理者やUAV測量技術者の資格取得、データ解析ソフトの習熟といった教育投資が求められます。自社内育成には時間とコストがかかるため、最初は業務委託や派遣スタッフの活用でノウハウを蓄積する方法も有効です。

ドローン測量を依頼した場合の費用目安

ドローン測量は機材や専門スタッフの準備が必要なため、自前で行うと数百万円の費用がかかります。一方、専門会社に委託した場合の費用は個々のケースによりけりです。測量する範囲や土地の形状に左右されるため、しっかり見積もりを取っておきましょう。

公共測量マニュアルに基づく積算要素

国土地理院の「UAVを用いた公共測量マニュアル(案)」では、測量業務を作業計画の立案段階から、標定点および検証点の設置、空中写真撮影と三次元復元計算、編集と品質評価、成果品整理に至るまでの各工程ごとに必要な人員や所要時間を定めています。これらの人件費は令和7年度の設計業務委託等技術者単価(測量業務の平均:43,520円/日)を基準に算出されます。

また、公共事業では現場ごとの共通仮設費や現場管理費の補正率、被災地向けの復興歩掛補正など、地域別の加算要素が適用されるため、見積もりを依頼する際には「マニュアル適用の有無」と「補正率の適用範囲」を必ず確認し、予算に余裕をもって計画を立てることが重要です。

ドローン測量の方法と流れ

ドローン測量を始める際は、まずドローンなどの機材を用意する必要があります。機材を準備したら測量実施日を決め、飛行許可申請を取ったり近隣住民と調整したりしましょう。後は現地調査やドローン撮影など、所定の流れに沿って測量を進めれば完了です。

ドローン測量の準備を行う際には、以下のような流れで行います。

  1. 機材を準備する
    ドローン本体、バッテリー、自動操縦アプリ、データ解析ソフト など
  2. 測定実施日の決定と補助者の手配
    天気予報を確認しながら日程を決定(予備日も決める)。また補助者は最低1人選定する
  3. 飛行許可申請を取る
    航空法の規定を超える高さや地域でドローンを飛ばす場合に必要。空域を管轄する空港事務所に申請を行う
  4. 近隣住民・関係者との調整を行う
    測量を行う周辺地域の住民・関係者に連絡。必要に応じ日程や時間帯などを調整する

また、実際の測量は下記の流れで行います。

  1. 現地調査(踏査)
    飛行エリア・方法・障害物などに加え、電波・通信状況なども確認
  2. 飛行ルートの決定
    ドローンの飛行エリア・コース・高度などの設定を行う
  3. 標定点・検証点を測定
    標定点などのポイントや目印となる対空標識の設定
  4. ドローンでの撮影
    実際の撮影を行う
  5. 撮影データの解析
    データ解析ソフトを使用して撮影データから3Dモデルの作成を行う
  6. 精度検証・成果物の作成
    地形・数量などのデータをまとめる
  7. 納品
    測量データを納品する

上記は写真測量の場合の流れとなります。レーザー測量の場合も基本的な流れは同様となるものの、撮影データの3Dモデル化を行う必要はありません。

ドローン測量の種類

ドローン測量の種類は、大きく写真測量・レーザー測量・グリーンレーザー測量に分けられます。写真測量はカメラで撮影した写真を使い、レーザー測量は専用の機材で測量を実施する方法です。グリーンレーザー測量は水を透過するレーザーを用いるため、水場での測量に適しています。

写真測量

写真測量

写真測量は、ドローンで上空から写真(航空写真)を撮影して測量する方法をいいます。デジタルカメラなどの機材で複数の航空写真を撮影し、建物や地形情報やドローンの座標をもとにデータを作成します。ドローン測量の中でもポピュラーな手法で、主に工事現場や土木現場に適しています。

レーザー測量

レーザー測量

レーザー測量は、3Dのレーザースキャナー(LS)を使って地形を測量する方法をいいます。ドローンで上空から地表に向けてLSを照射し、光の反射時間・強度などをもとに測量データを作成します。レーザーは障害物・遮蔽物の隙間をを通り抜けるため、森林や山間部など複雑な地形の測量が可能です。

グリーンレーザー測量

グリーンレーザー測量

グリーンレーザー測量は、水の影響を受けにくいレーザーを使用するドローン測量です。ドローンで上空からレーザーを照射すると、水底までの距離を高い精度で測量できます。水の透明度の影響は受けますが、河川や海岸など水辺と陸地を同時に測量可能です。

写真測量とレーザー測量の違い

写真測量は、上空からドローンで航空写真を撮影して測量を行う方法です。デジタルカメラなどの機材を用いて複数の写真を撮影し、建物・地形情報やドローンの座標をもとにしてデータを作成します。「レーザー測量と比較して機材が安価」「カメラの解像度によっては高解像度のデータが取りやすい」「色彩情報を確認可能」などのメリットがあり、ドローン測量の中で一般的に使われており、主に土木現場や工事現場での使用に向いている方法です。ただ、レーザー測量と比較すると精度が劣るなどのデメリットがあります。

また、レーザー測量は上空から地表に向けてレーザーを照射し、反射時間や強度などをもとにして測量データを作成する方法です。レーザーは障害物や遮蔽物の隙間を通り抜けられるため「複雑な地形の測量が可能」であるほか、「高精度なデータが得られる」「広範囲を素早く測量可能」といったメリットも。ただし、専門的な機材が必要になりますので、写真測量と比較すると費用が高くなる傾向が見られます。

精度の高い点群データを取得する方法

ドローン測量を行う際に精度の高い点群データを取得するためには、「適切な設定と環境」が必要です。例えば飛行速度や飛行スピードなどを詳細に調整するための設定が測量精度に大きな影響を及ぼします。さらに、天候や太陽の位置、地形などの環境への配慮が求められます。これらの環境を考慮した上で飛行ルートと飛行タイミングを決定することが大切です。

ドローン測量で使用する機材

ドローン測量では、ドローン本体や測量用のカメラを始め、さまざまな機材を利用します。ドローンは多数の機体が市販されていますが、業務用に用いられているのはその中の一部です。特にカメラ性能の高いモデルや長時間飛行できるモデルが多用されています。

ドローン測量で使用するソフトウエア

ドローン測量で主に使われるソフトは自動操縦アプリとデータ解析ソフトです。自動操縦アプリは、高度や飛行ルートを設定することで、ドローンの自動操縦を可能にするソフトをいいます。一方のデータ解析ソフトは、ドローンが取得した画像を三次元点群データに変換するソフトのことです。

ドローン測量の精度

ドローン測量に求められる精度は工事の種類によって変わります。民間工事は個々のケースによりますが、公共工事は高い精度が求められるのが一般的です。なお、ドローン測量の精度は使用するカメラやTRK・PPK などの技術に大きく左右されます。

ドローン測量の依頼先の選び方

ドローン測量を専門会社へ依頼する際は、資格の有無を確認しておきましょう。測量士やドローン操縦士の資格があれば安心して依頼できます。また、ドローン測量の実績や対応してもらえる業務の範囲、価格の妥当性もチェックしておきましょう。

ドローン測量の標定点

ドローン測量の精度を上げることを目的として、「標定点」が用いられます。GPSからの位置情報のみで測量を行った場合数メートルの測位誤差が発生することがありますが、標定点を用いることで誤差の補正を行うことが可能です。

ドローン測量のラップ率

国土地理院による「UAVを用いた公共測量マニュアル(案)」では、ドローンによる精度の高い測量を行うための基準や作業手順などが定められています。ドローン測量を行う場合、マニュアルにも記載されているラップ率についても理解しておくことが大切です。

ドローン測量の墜落リスクと依頼時に確認すべき事項

ドローンの墜落事故が発生した場合、プロジェクトの遅延や追加コスト、さらには測量データの不正確さにつながる可能性があります。依頼者として、測量会社の安全対策や技術力を把握することで、安心して測量を依頼できます。

本メディア監修Sponsored by柳⼟⽊設計事務所について
土地家屋調査士や測量士による高品質なドローン測量を提供

柳⼟⽊設計事務所は、ドローン事業をはじめ、土木設計や不動産登記などを手がけている会社です。
測量士・土地家屋調査士の資格を持つ栁 和樹代表は、早期から「ドローン測量に可能性」を見出し、研究から携わっています。長く測量に携わってきたノウハウを生かし、撮影技術の確立や測量データの収集など、ドローン測量を実用化するために飛行方法や解析ソフトの手法も大手メーカーと協力し、ドローン測量業務を確立してきました。
これまでに、さまざまな企業・自治体との実績を通じて、豊富なノウハウを持っており、高クオリティのドローン測量を提供。全国各地の専門家や同業者とも連携して、幅広い要望に対応しています。

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引用元URL:柳⼟⽊設計事務所公式HP (https://y-dssc.com/)
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