取得データのさまざまな活用法

林業におけるドローン測量の活用例

ドローン測量により、これまで地上からの計測が困難だった山間部や森林部などの植生地を効率的に計測できるようになりました。

ドローンで測量した森林計測データを活用し、森林管理の効率化、林業のスマート化へ

ドローンを活用した森林計測の目的は、森林の状態をより正確に把握すること。
測量データを解析・活用することで、森林管理の効率化や、林業のスマート化を図ることができます。

ドローンは空中から地面や林地の状況を測量し、地形や樹高、本数、樹木1本の平均的な幹の体積（幹材積）、密度などの数値を数分で取得することができます。位置情報と画像データを組み合わせることで、樹木の直径や曲がりの把握、AIにより樹種の識別や炭素蓄積量の推定も可能です。

不動産鑑定におけるドローン測量の活用例

不動産鑑定士の業界において、ドローン測量は、物件の評価精度向上に大きく貢献しています。従来の地上測量と比較して、ドローン測量は以下のようなメリットがあり、不動産鑑定の質を向上させています。

1. 物件形状の正確な把握

• 3次元モデルの作成: ドローンで撮影した空撮画像を基に、物件の3次元モデルを作成することができます。これにより、物件の形状や大きさ、高さを正確に把握することが可能となり、容積率や建ぺい率の算出、日照シミュレーションなど、より詳細な分析が可能になります。
• 傾斜地の測量: 傾斜地にある物件の測量も容易に行うことができます。従来は測量に時間がかかり、コストも高かった傾斜地の測量が、ドローンによって効率化されます。

2. 周辺環境の把握

• 周辺施設の確認: ドローンで撮影した空撮画像から、周辺の道路状況、建物、緑地、水路などの状況を詳細に把握することができます。
• 日照状況の確認: 日中の様々な時間帯に撮影することで、日照状況を詳細に把握することができます。これは、マンションなどの集合住宅の評価において特に重要です。
• 景観の評価: 周辺の景観を評価し、物件の価値に与える影響を分析することができます。

3. 災害時の評価

• 被災状況の迅速な把握: 災害発生時、ドローンによる空撮で迅速に被災状況を把握することができます。これにより、損害額の算定や復旧計画の策定に役立てることができます。

4. 大規模な土地の測量

• 広範囲な測量の効率化: 広大な土地の測量を短時間で効率的に行うことができます。特に、山林や農地などの測量に有効です。

ドローン測量が不動産鑑定にもたらすメリット

• 測量時間の短縮: 人手による測量と比較して、大幅な時間短縮が可能です。
• コスト削減: 測量費用を削減することができます。
• 高精度なデータ取得: 3次元モデルなど、高精度なデータを短時間で取得できます。
• 安全性向上: 人が立ち入ることが困難な場所の測量も安全に行うことができます
• 詳細な分析が可能: 取得したデータに基づき、より詳細な分析が可能となり、評価の精度が向上します。

今後の展望

ドローン技術の進歩に伴い、不動産鑑定におけるドローンの活用はますます広がることが予想されます。例えば、AIとの連携により、画像認識技術を活用した自動測量や、3Dモデルから建物の構造を自動的に抽出するなどの技術開発が進んでいます。

ドローン測量は、不動産鑑定の精度向上に大きく貢献する技術です。不動産鑑定士は、ドローン測量によって得られたデータを活用することで、より正確かつ詳細な不動産評価を行うことができるようになります

相続手続きにおけるドローン測量の活用例

相続手続きにおいて、ドローン測量は、特に不動産の評価や分割において、その有用性が注目されています。従来の測量方法に比べ、より迅速かつ正確なデータを取得できるため、相続手続きを円滑に進める上で大きなメリットをもたらします。

不動産の現況把握

• 境界確定: 不動産の境界線が不明確な場合、ドローンによる空撮で、周辺の地形や建物との関係を明確にし、境界線を正確に確定することができます。
• 建物状況の把握: 建物の老朽化状況、増改築の有無などを、地上からは確認しにくい箇所も、ドローンで詳細に確認できます。
• 土地の形状把握: 不整形な土地や傾斜地など、地上からの測量では困難な形状の土地も、ドローンで正確に測量できます。

相続財産の評価

• 土地の面積測定: ドローンによる測量で、土地の面積を正確に測定し、不動産の評価額算定に利用できます。
• 日照権の確認: 建物の日照状況を評価し、不動産の価値に与える影響を分析できます。
• 立地条件の評価: 周辺環境やアクセス性などを評価し、不動産の価値をより正確に評価できます。

相続分割

• 分割図の作成: ドローンで取得したデータに基づき、正確な分割図を作成できます。
• 公平な分割: 不動産を複数の相続人が共有する場合、各相続人が公平に分割できるよう、ドローン測量によって得られたデータを活用できます。

その他

• 相続税申告: 相続税の申告に必要な不動産の評価額を算定する際に、ドローン測量で得られたデータが有効に活用されます。
• 裁判資料: 相続に関する訴訟において、ドローンで撮影した画像は、証拠資料として提出することができます。

ドローン測量が相続手続きにもたらすメリット

• 迅速な手続き: 従来の測量方法に比べて、大幅な時間短縮が可能です。
• 高精度なデータ取得: 3次元モデルなど、高精度なデータを短時間で取得できます。
• 視覚的な情報提供: 空撮画像により、相続人に対してより分かりやすく現状を説明できます。
• 紛争防止: 正確なデータに基づいた分割を行うことで、相続人間の紛争を防止できます。

行政書士・司法書士との連携

相続手続きにおいて、ドローン測量を活用するためには、行政書士や司法書士との連携が重要です。

• 行政書士: 相続手続き全般をサポートし、ドローン測量で得られたデータを相続登記などに活用します。
• 司法書士: 不動産登記手続きにおいて、ドローン測量で得られたデータを基に、登記申請を行います。

ドローン測量は、相続手続きにおける様々な場面で活用できる有望な技術です。行政書士や司法書士は、ドローン測量を積極的に取り入れることで、より迅速かつ正確な相続手続きをサポートすることができます。

本メディア監修の柳土木設計事務所では、測量士／土地家屋調査士が、各分野の専門家と連携し
ドローン測量による境界確定から登記申請にも対応しています。