ドローン測量の精度

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ドローン測量の「精度」とは?

ドローン測量における「精度」とは、土地の距離や面積、地形などについて計測を行った場合の「数値の正確さ」を表しています。測量を行う対象の実際の値と、ドローン測量によって取得できた三次元点群データの測定値の差が少ないほど、「精度が高い」といえます。

ちなみに、上記で出てきた「三次元点群」とは、位置情報を持った点の集まりを指しています。ドローンを使った測量にて得られるこのデータを活用することによって、位置や距離の把握や、形状の分析ができます。

精度を確認する場合には、測量を行う範囲に「標定点」と「検証点」を複数設置します。「標定点」を基準に解析を行い「検証点」での差異が誤差となります。

写真測量とレーザー測量の精度の違い

ドローン測量における測量方法を大きく分類すると「写真測量」と「レーザー測量」の2種類があります。この2つの測量方法を比較した場合、レーザーの方が得られる情報量が多く、高精度であるといわれています。

ただし、ドローン測量における精度を高めるには、さまざまな方法が考えられます。例えば、写真測量を行う際に標定点を測量範囲内に設置を行う、高性能なカメラを使用する、高精度なRTKドローンを使用するなどの方法が考えられます。このように、精度を高めるための方法やさまざまな機器を活用することで、写真測定を行う場合でもレーザー測量と同等の精度の計測データを得られるようになります。

やり方によっては写真測量でもレーザー測量でも高い精度のデータを得られますが、測量可能な範囲や作業効率に違いが出てきます。写真測量の場合は、上記でご紹介した通り高い精度のデータを得るには標定点の設置を行う必要があることに加えて、上空から地表が撮影できない現場での測量は難しい面があります。

対してレーザー測量の場合は、標定点の設置は推奨されているものの、写真測定と比較すると少ない数の標定点の設置により高い精度を得られます。また、草や木の間をレーザー光が抜けられるため、草や木などで地表が見えていない現場での測量も可能です。

以上から、「写真測定とレーザー測定のどちらを選ぶか」は、精度の高さよりも測量する現場や作業効率などを考慮して選ぶことが良いといえます。さらに、レーザー測量の場合は専用の機器が必要となりますので、コストがかかる点にも注意する必要があります。

ドローン測量に求められる精度

ドローン測量で求められる精度は工事の種類によって異なります。

国土地理院のマニュアル

国土地理院が2016年に作成(翌年改正)したマニュアルでは、ドローンなどの無人航空機(UAV)の測量精度について以下のように定めています。

  • 数値地形図の地図情報レベルは250または500を標準とする
  • 水平位置の標準偏差は0.12mまたは0.25m以内
  • 標高点の標準偏差は0.25m以内
  • 等高線の標準偏差は0.5m以内

水平位置については、地図情報レベル250で0.12m、同500で0.25mの精度が必要です。また、標高点や等高線もそれぞれ基準を設けています。

参照元:国土地理院公式HP(PDF)(https://www.gsi.go.jp/common/000186712.pdf)

公共工事の場合

公共工事求められる位置精度は次のとおりです。

  • 出来形管理:0.05m以内
  • 起工測量・岩線計測:0.1m以内
  • 部分払い出来高計測:0.2m以内

ドローン測量による三次元点群データの精度は国土地理院が規定しており、公共工事では種類によって求められる精度が異なります。いずれにせよ、X・Y・Z各座標において高い精度のデータが必要です。

参照元:国土地理院公式HP(PDF)(https://www.gsi.go.jp/common/000186712.pdf)

民間工事の場合

民間工事の場合、求められる精度は工事の案件によって大きく異なります。公共工事並の高い精度を求められるケースもある一方、数十cmの誤差まで許容されるケースもあるのが実情です。発注元によって変わるため、統一された基準はありません。ただ、公共工事が求める精度に準じている案件も多いため、高精度が求められると考えてよいでしょう。

精度を左右するもの

ドローン測量の精度は、使用する機材と技術で変わります。特に測量の精度を左右するものは以下の4つです。

カメラ

カメラは写真測量で用いられますが、測量の精度に大きな影響を及ぼします。高精度なデータを得るためには、カメラのスペックにこだわることが大切です。

ドローンに搭載されたカメラは高性能なものが多いですが、スペックの都合から公共工事の基準を満たせないこともあります。測量の誤差が大きくなってしまう場合、より高性能なカメラへの交換が必要です。

RTK

RTKもドローン測量の精度に影響を及ぼします。RTKは、位置情報をドローン本体(移動局)と地上の電子基準点(基準局)の2箇所で取得する測位方法のことです。

一般的なドローンの場合、本体のみで位置情報を取得しますが、位置に数メートルの誤差が生じるケースも珍しくありません。一方、RTKを利用すれば位置精度を高められるため、誤差を大幅に減らすことが可能です。

標定点

ドローンの精度を高める場合、標定点もしっかりと決めておく必要があります。標定点は、正確な水平位置・標高が判明している地上の座標のことです。ドローン測量で重要な要素の一つで、測量開始前に標定点をいくつか定めておくことが求められます。

標定点は、ポイントを多くするほどデータも高まるのがメリット。データ解析時の基準を増やすことで、公共工事に求められる精度も実現できます。

PPK

ドローン測量の精度に影響する技術の一つがPPKです。PPKは、取得したデータを解析・処理する時に位置情報を補正する技術をいいます。ドローンにPPK用機材を搭載することで本体の位置データを集められます。

PPKはGPS・TRKと違って通信が不要で、電波状況に左右されない点が強みです。一方、使用する際はPPK対応ドローンを選ぶ必要があります。

本メディア監修の柳土木設計事務所では、測量士/土地家屋調査士が、各分野の専門家と連携し
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柳⼟⽊設計事務所は、ドローン事業をはじめ、土木設計や不動産登記などを手がけている会社です。
測量士・土地家屋調査士の資格を持つ栁 和樹代表は、早期から「ドローン測量に可能性」を見出し、研究から携わっています。長く測量に携わってきたノウハウを生かし、撮影技術の確立や測量データの収集など、ドローン測量を実用化するために飛行方法や解析ソフトの手法も大手メーカーと協力し、ドローン測量業務を確立してきました。
これまでに、さまざまな企業・自治体との実績を通じて、豊富なノウハウを持っており、高クオリティのドローン測量を提供。全国各地の専門家や同業者とも連携して、幅広い要望に対応しています。

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引用元URL:柳⼟⽊設計事務所公式HP (https://y-dssc.com/)
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