ドローン測量に必要な機材とは
ドローン測量を実施する場合は、主に以下で挙げる機材を用意する必要があります。
ドローン本体・バッテリー
ドローン測量に必ず必要となるものがドローン本体です。さまざまな機体が販売されていますが、ドローン測量では使用環境に合わせてドローンのサイズを選ぶ必要があります。また、長時間飛行するなら予備のバッテリーも欠かせません。満充電したものを1〜2個用意しておきましょう。
撮影・測量用のカメラやレーザースキャナー
写真測量で使用するカメラや、レーザー測量用のレーザースキャナー(LS)などの機器も必要です。カメラはドローンに内蔵されている場合もありますが、測量には高解像度が求められます。一方、レーザー測量で使うLSも精度の高い製品を選ぶことが重要です。
自動飛行アプリ
ドローンを自動で飛行させる場合は自動飛行アプリも必要です。文字通りドローンの自動操縦を実現するアプリで、各機体メーカーが提供しているものだけでなく、SfMソフトメーカーが提供しているものもあります。SfMソフトメーカーの自動飛行アプリは、解析ソフトとの連携がスムーズなため、選択肢の一つです。ただし、自動飛行アプリを利用しても状況次第ではマニュアル操縦が必要です。
その他必要な機材
このほか、ドローン測量では以下の機器・機材が使われています。
- プロペラガード
- ランディングパッド(発着陸用)
- 対空標識
- 風速計
プロペラガードは飛行エリアによっては装着が必須です。一方のランディングパッドは、ドローンを発進・着陸させる時に目印としての役割を担います。
ドローン測量の費用は、機体の種類だけでなく、カメラやレーザースキャナー、自動飛行アプリなど必要機材の構成によっても変わります。機材構成ごとの費用感を把握したい方は、以下のページも参考にしてください。
ドローン測量を内製化する前に確認したいこと
ドローン測量を内製化する際は、機体を選ぶ前に、対応する測量方式、必要な成果物、自社で担当する工程を決めることが重要です。機体の性能だけで判断すると、導入後に必要な解析環境や人員が不足する可能性があります。
写真測量とレーザー測量のどちらに対応するか
写真測量は、ドローンで撮影した複数の空中写真をもとに、オルソ画像や三次元点群、数値地形図データなどを作成する方法です。
一方、レーザー測量では、ドローンに搭載したレーザースキャナーを使って三次元点群を取得します。写真測量とは必要なセンサーやデータ処理の工程が異なるため、同じ機体だけで両方へ対応できるとは限りません。
対象となる土地の状態、必要な成果物、求められる精度を確認し、写真測量とレーザー測量のどちらを自社の対応範囲にするか決めましょう。
機体以外に必要な技術と運用体制
ドローン測量には、機体を操縦する技術だけでなく、作業計画、撮影計画、標定点や検証点の設置、測位データの処理、点群解析、品質評価などの知識が必要です。
公共測量として実施する場合は、作業規程の準則などに沿った精度管理も必要になります。
また、飛行する場所や方法によっては、航空法に基づく許可または承認が必要です。特定飛行を行う場合は、飛行計画の事前通報や飛行日誌の作成なども必要になります。
社内では、操縦、現場の安全管理、データ処理、成果の確認を誰が担当するか決め、特定の担当者だけに業務が集中しない体制を検討しましょう。
自社で対応する業務範囲を決める
ドローン測量を始めるからといって、すべての工程を最初から自社で担当する必要はありません。
例えば、飛行とデータ取得のみを自社で行い、取得したデータの解析や図面作成を外部へ依頼する方法があります。反対に、現場での飛行を外部へ依頼し、自社では取得データの確認や測量成果の作成を担当することも考えられます。
自社がすでに持っている測量技術と、不足している工程を分けることが、内製化する範囲を決めるポイントです。
導入費と継続的な運用費を確認する
ドローン測量の導入費は、機体の価格だけでは決まりません。カメラやレーザースキャナー、予備バッテリー、RTK・PPKに関する機器、解析ソフト、データを処理するパソコンなども含めて確認する必要があります。
導入後は、機体の点検、バッテリーの交換、ソフトの利用、操縦者の教育などにかかる費用も見込む必要があります。保険や修理、機体の更新についても、対応する案件や運用方法に合わせて検討しましょう。
想定する案件数と自社で担当する工程を整理し、すべて内製化する場合と、外部の専門会社と連携する場合の費用を比較することが大切です。
国土地理院公式HP:https://www.gsi.go.jp/gijyutukanri/gijyutukanri41018.html
国土交通省公式HP:https://www.mlit.go.jp/koku/koku_fr10_000041.html
測量用ドローンの種類と向いている業務
測量用ドローンは、機体の大きさだけでなく、搭載するセンサーと飛行方式の両面から選ぶことが重要です。
小型カメラ一体型と大型ペイロード交換型は、主にセンサーの構成を示します。一方、VTOL型と固定翼型は主に飛行方式を示す分類です。そのため、VTOL型でありながらセンサーを交換できる機体など、分類が一部重なる場合があります。
小型カメラ一体型
小型カメラ一体型は、カメラを機体に組み込んだ比較的コンパクトなドローンです。持ち運びや現場での準備を簡略化しやすく、写真測量から対応を始めたい場合の選択肢になります。
一方で、カメラやセンサーを自由に交換できない機体が多く、後からLiDARや別の測量用カメラを搭載したい場合は、別の機体が必要になることがあります。
大型ペイロード交換型
大型ペイロード交換型は、写真測量用カメラやレーザースキャナーなどを、案件に応じて交換できる機体です。搭載する機器を変えることで、写真測量とレーザー測量の両方へ対応できる構成もあります。
ただし、すべてのカメラやレーザースキャナーを自由に搭載できるわけではありません。対応するペイロード、飛行時間、機体重量、バッテリー、運搬方法、必要な人員まで含めて検討しましょう。
VTOL型
VTOL型は、垂直に離着陸し、上空では固定翼機のように前進飛行する機体です。滑走路を用意せずに離着陸できるため、広い範囲を効率よく撮影したい場合の選択肢になります。
ただし、垂直に離着陸できる場合でも、どのような場所でも飛ばせるわけではありません。風の状況、飛行経路、離着陸場所、緊急時の着陸場所を含めて飛行計画を立てる必要があります。
固定翼型
固定翼型は、前進飛行によって翼に揚力を発生させて飛行する機体です。一般にその場でのホバリングには向きませんが、長時間飛行や広域撮影を重視した測量用機体があります。
手投げで離陸する機体や、胴体を地面へ接地させて着陸する機体もあります。対象面積だけでなく、安全に離着陸できる場所や地面の状態を確認しましょう。
メーカー別に見る測量用ドローン
測量用ドローンは、写真測量とLiDAR測量のどちらに対応するか、対象面積、離着陸条件、測位・補正方法をそろえて比較することが大切です。
公称飛行時間は、搭載するセンサー、飛行速度、風、バッテリーなどの条件によって変わります。数値だけで判断せず、自社が想定する構成での飛行時間や作業範囲を確認しましょう。
DJI
DJIの測量向けドローンは、カメラ一体型のMatrice 4Eと、ペイロードを交換できるMatrice 400で役割が異なります。写真測量を中心に行うのか、LiDARを含む複数の測量方式へ対応するのかによって比較しましょう。
Matrice 4E
画像引用元:DJI公式HP:https://enterprise.dji.com/jp/matrice-4-series
Matrice 4Eは、測量・マッピングなどの地理空間用途に対応するカメラ一体型のドローンです。
4/3型CMOS・有効画素数20MPの広角カメラとメカニカルシャッターを搭載しています。RTK FIX時の公称測位精度は、水平方向が1cm+1ppm、垂直方向が1.5cm+1ppmです。
最大飛行時間は、標準プロペラを使用し、無風・外部アクセサリー非搭載などの試験条件で49分です。写真測量を中心にドローン測量への対応を検討する会社にとって、機体とカメラをまとめて比較しやすい機種です。
DJI公式HP:https://enterprise.dji.com/jp/matrice-4-series/specs
Matrice 400
画像引用元:DJI公式HP:https://enterprise.dji.com/jp/matrice-400
Matrice 400は、写真測量用カメラやLiDARなどを、目的に応じて搭載できる大型の産業用ドローンプラットフォームです。
写真測量用のZenmuse P1、LiDARのZenmuse L2・L3などに対応しています。最大飛行時間は、H30Tを搭載した所定の試験条件で59分です。P1・L2・L3などを搭載した場合の飛行時間は、使用する構成ごとに確認する必要があります。
写真測量とLiDAR測量の両方を視野に入れる場合の候補になりますが、機体単体ではなく、ペイロード、解析ソフト、バッテリー、運搬方法を含む構成全体で検討する必要があります。
DJI公式HP:https://enterprise.dji.com/jp/matrice-400/specs
エアロセンス
エアロセンスは、ドローン機体のほか、飛行管理アプリやクラウド型の写真測量解析サービスなどを展開する国内メーカーです。
エアロボ PPK
エアロセンス公式HP:https://aerosense.co.jp/products/drone/as-mc03-ppkhl/
エアロボ PPKは、後処理キネマティック測位に対応した国産の写真測量用ドローンです。機体は複数の衛星測位システムに対応し、撮影用カメラにはソニー製α6100と3軸ジンバルを採用しています。
飛行後は、取得した写真や測位情報などをエアロボクラウドへアップロードし、基準局または電子基準点のデータを使ってPPK処理と写真測量解析を行います。
最大使用可能時間は、制御された環境で25分です。エアロセンスは、導入時の操作研修や購入後の定期メンテナンスも案内しています。
国産機と国内サポートを重視し、PPK処理を含む写真測量の仕組みを導入したい場合の比較候補です。
ACSL
ACSLは、国産の産業用ドローンや、業務別のドローンソリューションを展開しているメーカーです。
PF2-AE Survey
ACSL公式HP:https://product.acsl.co.jp/product/post-2559/
PF2-AE Surveyは、ACSLの国産産業用ドローンPF2-AEに、フランスのYellowScan製LiDARを搭載したレーザー測量向けの機体です。
搭載するLiDARは、Mapper+とSurveyor Ultraの2種類から選択できます。どちらの構成にも2000万画素・グローバルシャッター式のRGBカメラが組み込まれており、取得した三次元点群へ色情報を付けられます。
最大飛行時間は約20分です。搭載するLiDARにはGNSS・慣性航法システムが組み込まれていますが、公開ページではRTKまたはPPKという表記を確認できません。測位補正に使用するデータや点群生成の工程は、導入前に確認しましょう。
国産の機体プラットフォームを使い、LiDAR測量へ対応したい場合の比較候補です。センサーの校正、点群処理ソフト、修理・点検の対象範囲まで含めて検討することが大切です。
機体を導入するだけではドローン測量を内製化できない
ドローン測量を内製化するには、機体に加えて、飛行計画、撮影・計測、測位データの処理、解析、精度確認、成果物の作成までを一連の工程として設計することが必要です。
公共測量としてUAV写真点群測量を実施する場合は、作業計画、標定点・検証点の設置、撮影、三次元形状復元、点群編集、品質評価などの工程があります。UAVレーザ測量でも、飛行コースや固定局、調整点を計画し、計測後に軌跡解析や点群データの検証を行います。
飛行する空域や方法によっては、航空法に基づく許可または承認が必要です。また、特定飛行を行う場合は、飛行計画の事前通報や、飛行・整備などを記録する飛行日誌の作成も必要になります。
そのため、すべての工程を最初から自社で内製化する必要はありません。操縦、撮影、測位補正、点群解析、成果物作成などを分け、自社で不足している工程だけを外部の専門会社へ依頼する方法もあります。
外部へ相談する際は、測量対象、必要な成果物、求める精度、実施時期、自社で担当する工程を整理しておくと、依頼範囲を決めやすくなります。機体を導入すべきか、外部へ測量を依頼すべきか判断できない場合は、対応したい案件の内容をもとに専門会社へ相談することも検討しましょう。
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