農地測量(農地管理)でのドローン活用方法
農地では、主に広大な土地を測量する際にドローンを活用できます。ドローンは空中から写真を撮影できるため、一度に広範囲を測量することが可能です。また、一度に複数の土地をまとめて計測できるのもポイント。測量の効率を高めることが可能です。
一方、ドローンで収集したデータを使えば、農作物の生産性向上や農地管理の手間を減らせる場合もあります。例えば、測量で得た地図を使って作付け計画を立てたり、空撮から圃場の状態をリアルタイムに確認したりすることが可能。収益の最大化も目指せるでしょう。
農地でドローンを活用するメリット
農地にドローン測量を取り入れるメリットは次の3つです。
- 測量にかかるコストと時間を削減できる
- 測量作業の安全性を高められる
- 高精度なデータを取得できる
ドローン測量は機材の準備が必要なものの、人件費などのコストを削減できます。一度に広範囲を測量できるため、測量にかかる時間も短縮可能です。
一方、空中から撮影すればよいことから、急斜面や足場の悪い場所での実測が不要になります。作業員の安全性も確保できるでしょう。また複数の画像をもとにデータを作るため、誤差の少ない高精度な測量データも取得可能です。
ドローンを活用する上での注意点
農地でドローンを活用する場合、以下の点に注意する必要があります。
航空法など法律・ルールの制限を受ける
特に注意が求められるのは、ドローンに関する法律やルールです。ドローンは航空法を始め、さまざまな法律の規制対象になっています。農地の場所や撮影する高度によっては、飛行に関する許可が必要になるので気を付けましょう。例えば人口密集地の中に農地がある場合、航空法の規制対象となる可能性があります。
このほか、自治体によっては条例で飛行が規制されているケースも。ドローン測量を実施する際は、農地がある場所の規制や条例をしっかり確認しておきましょう。
ドローン操縦には技術を要する
ドローンの操縦に資格は必要ありませんが、知識や技術を要する点には注意が必要です。ドローンはアプリを使って自動操縦するケースが多いものの、高度や飛行ルートなどを細かく設定しなくてはいけません。一方、トラブル発生時は速やかにマニュアル操作へ切り替え、ドローンや周囲の安全を確保する対応が求められます。
安全性を確保するためにも、ドローン操縦のプロが在籍する測量会社に相談したほうがよいでしょう。
農地測量(農地管理)のドローン活用例
以下では、農地測量や管理にドローンを活用した事例をご紹介します。
圃場の改植にドローンを活用
圃場の改植にドローンを利用した事例です。ドローンを使用して農地を上空から撮影し、対象となる圃場の地図データを作成。これにより、測量にかかる作業の効率化とコストダウンを実現しています。
また高精度なデータを得られることから、改植する圃場を正確に把握できるのもメリット。データとシステムを結びつければ、改植範囲をシステム上で一元管理可能になります。
参照元:NECソリューションイノベータ公式HP(https://www.nec-solutioninnovators.co.jp/sl/gis-farmland/feature.html)
圃場の排水環境の確認や被災農地の簡易評価に利用
圃場の排水環境の把握や、被災農地の簡易評価にドローンを活用できるという研究事例です。従来の測量方法では圃場の状況把握に時間がかかるため、復旧計画に遅れが生じることも珍しくありません。また、広い農地では航空機による計測が一般化していますが、コストの高さがネックになっています。
一方、ドローンを利用すれば短時間で測量できるうえ、航空機による測量と比較してコストを削減可能です。小回りがきくことから、圃場単位での測量も実現できます。