ドローン測量の方法と流れ

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ドローン測量に必要な準備や手続き

ドローン測量を始めるには、機材の手配や測量日の決定など、さまざまな準備を行う必要があります。

機材を準備する

ドローン測量を始める際は、測量に必要な以下の機材やソフトウェアを準備しましょう。

ドローン本体

測量専用のドローン本体は、安定したホバリング性能と高精度なGNSS受信機を備えていることが望まれます。強風時の安定性やペイロード耐性も確認し、できれば実際に試験飛行して挙動を把握しておきましょう。

バッテリーの予備

長時間の連続飛行を想定して、純正品のバッテリーを最低でも本体搭載分の倍数用意します。現場で充電が難しい場合は、ポータブル充電器の持参や予備バッテリーの冷却管理も視野に入れてください。

スマホ・タブレット(モニターがない場合)

ドローン操作に対応するOSバージョンを満たしたスマホやタブレットがあれば、コントローラーにモニターが付属しない場合でも操作アプリの画面表示を兼ねられます。現場投入前にタッチレスポンスや機器同士の接続安定性を確認し、操作中に画面が固まらないことを必ず試してください。

自動操縦アプリ

ルート設定やラップ率、撮影角度などを細かく制御できるアプリを選ぶと効率が上がります。事前にデスクトップでシミュレーション機能を試し、現場ではマニュアルモードへの切り替えタイミングも練習しておくとトラブルを減らせます。

データ解析用ソフト

撮影した写真をオルソ画像や点群データに変換できるソフトが必要です。代表的なものに「Pix4Dmapper」「Metashape」などがあり、処理エンジンの安定性や出力形式の多様さが選定のポイントとなります。まずは無料トライアル等で自社データを使った動作検証を行い、成果物要件に合致するかを確かめましょう。

対空標識

既存の対空標識は反射シート付きで視認性が高いものを選ぶと、画像処理時の認識率が向上します。配置間隔や数は、測量範囲の広さと求める精度に合わせて調整し、撮影前にカメラ映像で標識が鮮明に映るか必ず確認してください。

飛行許可証

人口集中地区や空港周辺、高度制限を越える飛行には国土交通省への申請が必要です。包括申請の場合でも、年度更新や飛行計画の変更手続きに時間を要するため、測量日が決まったら速やかに準備を進めてください。

ドローン本体はもちろん、バッテリーの予備も必要です。モニターがない場合はスマホなども用意しましょう。また、自動操縦アプリ・データ解析ソフトもドローン測量で利用します。

このほか、対空標識や飛行許可証(後述)も必要です。当日までに準備しておきましょう。

測量実施日の決定と補助者の手配

機材を準備したら測量実施日を決めましょう。ただし、当日に天候が悪くなるとドローンを飛ばせません。天気予報を確認すると同時に、予備日も決めておくとよいでしょう。

また、ドローンの操縦者とは別に補助者の手配が必要です。飛行状況や周辺環境の監視と操縦者へのアドバイスを担う役目を負うため、最低でも1人は選任しておきましょう。

飛行許可申請を取る

測量実施日を決めたら飛行許可申請を取りましょう。飛行許可申請は、航空法の規定を超える高さ・地域でドローンを飛ばす際に必要な許可のことです。特に人口密集地や空港周辺などでドローンを飛ばす際は、飛行許可申請の取得が不可欠になります。

飛行許可申請は空域を管轄する空港事務所に申請可能です。飛行日程・経路を確定させたうえで行う個別申請と、継続して利用できる包括申請がありますが、業務目的であれば包括申請が適しています。

近隣住民や関係者との調整

飛行許可申請を取得したら、ドローン測量を実施する周辺地域の住民や関係者へ連絡しましょう。ドローンで測量する旨を伝え、必要であれば日程や時間帯などを調整することが大切です。なお、調整は必須ではありませんが、トラブルを防ぐためにも行ったほうがよいでしょう。

ドローン測量の流れ

ドローン測量にはいくつかの種類があり、方法によって測量の流れが大きく異なります。

写真測量の場合

ドローンの写真測量は、空撮写真を3Dモデル化する測量方法です。写真測量は下記の流れで行います。

1.現地調査(踏査)

当日はまず測量エリアを実際に歩いて確認し、電波が届きにくい地点や障害物の高さを把握します。目視できる範囲の地形変化や落下物リスクもチェックし、GPSアンテナの位置を最適化できるポイントを選びましょう。

2.飛行ルートの決定

前後方向のオーバーラップを80%程度、横方向のサイドラップを60%程度とすることで、空撮画像を重ね合わせた際の品質を担保します。地形の起伏に合わせて飛行高度を設定し、シミュレーション機能付きの自動操縦アプリで想定飛行時間やバッテリー消費を確認した上でコースを確定させてください。

3.標定点・検証点を測定

標定点は均等配置だけでなく、地形のアクセントとなる高低差のある位置にも置くとモデル化の精度が高まります。検証点は標定点と同じツールで座標を取得し、解析後の誤差評価に用いるため、飛行前に必ず記録を二重チェックしてください。

4.ドローンでの撮影

撮影時には、風速が3m/sを超えないか確認すると同時に、日射角度を意識して影が最小となるタイミングを選びます。連続撮影では連写モードを活用し、万が一のブレ画像を排除できるよう撮影間隔を設定してください。

5.撮影データの解析

解析ソフトにデータを取り込む際、ジオタグの整合性を最優先にチェックします。ノイズ除去機能を用いて余分な点群を削ぎ落とし、等高線やオルソ画像の生成ステップでは解像度と処理時間のバランスを考慮しながら最適値を設定しましょう。

6.精度検証・成果物の作成

検証点との比較で得られた誤差をもとに、必要に応じて再解析や追加撮影を判断します。最終的にはユーザーが利用しやすいフォーマットでオルソ画像や断面図をまとめ、成果物にはエラー率や注意点を明記して納品するのが望ましいです。

7.納品

成果物はGeoTIFFやDXF、JPEGなどクライアント指定のファイル形式で提供します。データ容量に応じてオンラインストレージまたはUSBメモリ等を使い分け、フォルダ構成やファイル名を統一して納品時の混乱を防ぎましょう。

写真測量では最初に現地調査を行い、さらに飛行ルートの設定、標定点・検証点の測定などを実施します。そしてドローンで撮影後、データを整形して納品すれば完了です。

レーザー測量の場合

レーザー測量は、レーザーで地表・建物との距離を計測して測量する方法をいいます。具体的な方法・流れは以下のとおりです。

1.現地調査・踏査

写真測量同様に地形の凹凸や障害物を把握したうえで、レーザーの反射特性に影響する金属構造物や水面の有無も確認します。点群の抜けを防ぐため、レーザーモジュールの向きや高さを現地で調整する準備を怠らないことが肝要です。

2.自動操縦の飛行内容設定

レーザー密度を確保するため、飛行速度を緩めに設定し、重ね撮りの間隔を写真測量よりも細かく設定します。飛行高度は点群データの要求精度に応じて調整し、バッテリー消費とスキャン時間のトレードオフを考慮してルートを最適化します。

3.標定点の測定と対空標識の設置

レーザー測量では、標定点が点群データ全体の基準となるため、GNSSのRTK補正を利用して数センチメートル単位の精度で座標を取得します。対空標識も反射素材を選び、レーザー光の拾いやすさを高めることが成果物の品質向上に直結します。

4.ドローンでの撮影

撮影中はレーザースキャナーのステータスをリアルタイムで監視し、点群の密度が均一かどうかを確認します。万一密度が不足しているエリアがあれば、その場で緯度経度を記録し、追加フライトで補完できるよう手順を組んでおきましょう。

5.撮影データの精度検証・納品

解析ソフトで点群データを生成した後、標定点との突合せで誤差分布図を作成します。分布状況を確認したうえで補正フィルターをかけ、最終成果物には点群の分解能や補正履歴もまとめて提示し、クライアントの信頼を得る資料としてください。

精度を検証後、データをまとめれば納品できます。

本メディア監修Sponsored by柳⼟⽊設計事務所について
土地家屋調査士や測量士による高品質なドローン測量を提供

柳⼟⽊設計事務所は、ドローン事業をはじめ、土木設計や不動産登記などを手がけている会社です。
測量士・土地家屋調査士の資格を持つ栁 和樹代表は、早期から「ドローン測量に可能性」を見出し、研究から携わっています。長く測量に携わってきたノウハウを生かし、撮影技術の確立や測量データの収集など、ドローン測量を実用化するために飛行方法や解析ソフトの手法も大手メーカーと協力し、ドローン測量業務を確立してきました。
これまでに、さまざまな企業・自治体との実績を通じて、豊富なノウハウを持っており、高クオリティのドローン測量を提供。全国各地の専門家や同業者とも連携して、幅広い要望に対応しています。

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引用元URL:柳⼟⽊設計事務所公式HP (https://y-dssc.com/)
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