土量測量(土量計算)でのドローン活用方法
土量測量の分野では、主に盛土の測量や土配計画の立案などにドローンが利用されています。従来の方法の場合、測量会社が数日の時間をかけて測量を実施するのが一般的です。測量の際には現地を測量士ら専門家が歩き、直接測量を行います。
一方、ドローンを使った土量測量は空中から撮影するのが特徴です。従来の測量とは違い、ドローンが飛行時に取得したデータを解析することで土量の計算を行います。
土量測量にドローンを活用するメリットとは?
土量測量にドローンを利用するメリットは、測量にかかる時間を短縮できる点にあります。測量を実施する土地の面積にもよりますが、従来の測量は数日間かかることも珍しくありません。場合によっては、一定期間作業を中断する必要も出てくるでしょう。
一方、ドローン測量なら短時間で広範囲を測量することが可能です。土地の面積によっては、1日で測量が完了する場合もあります。また、測量は空中から実施するため、作業を止める必要もありません。
安全性を高められる点も魅力です。従来の測量は現地を直接調査しなくてはいけませんが、ドローン測量なら空中から測量するのみで済みます。足場が悪い現場や盛土崩落のリスクがある現場でも問題なく測量可能です。
ドローンを活用する上での注意点
ドローンで土量測量を実施する場合、以下で挙げる点には注意が必要です。
飛行許可が必要になる場合がある
ドローン測量を行う場所によっては、飛行許可が必要になるので注意しておきましょう。ドローンは航空法を始めさまざまな法律の規制対象になっており、状況に応じた法律・ルールに従って運用する必要があります。もし法律に違反すると罰せられる可能性があるため、しっかり確認しておきましょう。ドローン測量を外注する時は、法律面への理解が深い会社への依頼をおすすめします。
悪天候では測量が困難
雨などの悪天候の場合、ドローンでの測量は難しいと考えましょう。悪天候下でのドローンの飛行は危険で、安全性を確保することができません。また視界も悪くなりますので、満足のいく測量データを取得できないリスクがあります。測量の精度が大幅に低下してしまうため、悪天候時の測量は避けるべきでしょう。
土量測量のドローン活用例
ここからは、土量計測でのドローン活用事例をいくつかご紹介します。
大規模造成工事の土配計画に活用
大規模造成工事の土量管理にドローンを活用した事例です。ドローンで得られたデータから三次元図面を作成。従来の人手による測量と比較し、作業効率の大幅な向上を実現しています。また、作業結果をスピーディに取得することにも成功しました。
参照元:建設業労働災害防止協会公式HP(https://www.kensaibou.or.jp/safe_tech/ict/entry/002892.html)
盛土の空中写真測量に活用
敷地面積が広大なため、盛土の測量にドローンを活用した事例です。高度50〜60mからドローンで撮影し、数千枚の写真をもとに三次元点群モデルを作成。別途計測精度の検証も実施した結果、標高点を基準として+-10cmの高精度なデータを得られることが分かりました。
参照元:飛島建設公式HP(PDF)(https://www.tobishima.co.jp/laboratory/technique/pdf/65/gihou_65-2017-12.pdf)
採掘場などの出来形管理に活用
出来形管理にドローンを利用した事例です。ドローンで採掘場などを空中から撮影し、得られたデータをもとにして三次元点群データを作成。それらを土量計算に活用することで、業務の効率化とコスト削減を実現しています。また、従来の測量より短期間で済むことから、業務のスピードアップも可能です。